2021年
鹿児島県には、世界の恒久平和を願い、特別攻撃隊の遺品や関係資料を保存・展示する資料館が存在します。
全国的に知られる「知覧特攻平和会館」や「鹿屋航空基地史料館」、そして今回リニューアル業務に携わった「万世(ばんせい)特攻平和祈念館」があります。
ここ万世特攻平和祈念館は、昭和19年の終わり頃、吹上浜の松林に陸軍最後の特攻基地として急造された「万世飛行場」跡地に建てられました。
施設の一部リニューアルに伴い、吹上浜沖から引き揚げられた国内唯一の「零式三座水上偵察機」を含む展示ゾーンを再編集。地元の設計会社とともに展示什器や内装、看板デザインにも参画させていただきました。
新設した会議室や映像室、資料閲覧室には、グループ会社ランドスケーププロダクツや地元木工作家と協働で制作したオリジナル家具を設置。また、このタイミングで施設ロゴをはじめ、施設パンフレットのリニューアルを担当しました。
家族や恋人の幸せを想い、平和な世界が再び訪れるようにと、若くして大空へ飛び立った特攻隊。彼らが遺したメッセージや想いに触れ、私たちも戦争と平和について熟考しながら、祈念館を通して伝える責務を持ち続けて臨んだプロジェクトとなりました。リニューアルした本施設に足を運んでいただき、多くの方が平和について学ぶ機会を持ち続けることを願っています。