2019年
J-WAVEと六本木ヒルズは、音楽、アート、パフォーマンスをさまざまな表現で発信するイベント「TOKYO M.A.P.S」を2008年より行っています。両社がこれまで取り組んできた文化発信をより多くの方々が身近に体感・参加できる特別プログラムで、毎年5月のゴールデンウィークに開催。毎年新たにプログラム・オーガナイザーを迎え、その年のテーマに沿ったオリジナリティ溢れる魅力的なアーティストが出演しています。
BAGNは、2019年よりキービジュアル及び空間ディレクションに携わっています。それまで「TOKYO M.A.P.S」は、その年のミュージックシーンを彩るアーティストたちが名を連ね、六本木ヒルズアリーナが盛り上がる熱狂的なライブ風景でした。一方で、六本木ヒルズの周辺には庭園や美術館があり、悠々とした時間を過ごすことのできる環境があります。目的のアーティストだけを目当てに来て、終わったら帰ってしまうような慌ただしいライブではなく、せっかくなら六本木にゆったり音楽を聴きに。帰りはちょっと寄り道して、訪れた人たちが、いい1日だったと思える工夫を私たちなりに考えました。
まずは、スタンディングだったフロアをみんなが座ってステージを囲めるレイアウトに。ステージの高さもこれまでよりも低くすることで、アーティストとの距離感をより近くしました。また、物々しい鉄の柵をなくし、ステージと観客席の幅を狭くしてより一体感のある会場に。
さらに、毛糸を使ってみんなで「TOKYO M.A.P.S」のパネルを作り上げていくワークショップも新しく開催したり、会場の後方部には、芝生でのんびり寛げる空間を設け、ちょっと疲れたら美味しいコーヒーやフードと一緒にひと休みができるように、フードカートも準備しました。
ビルに囲まれた都会的な空間が、肩を並べながらのびのびと音楽を体感できるピースフルなライブ会場へと様変わり。ゆったりと変化した空間に美味しいフードや和やかなワークショップ風景が加わり、音楽を聴きに来た人たちも、スタッフの私たちも自然と笑顔になっていました。