先人たちに想いを馳せる、お酒と食のフェスティバル

「いちき串木野 WBSフェスティバル/ツーリズム」企画運営

2018, 2019年

東シナ海に面し、日本三大砂丘のひとつである吹上浜北端に位置する、鹿児島県・いちき串木野市。歴史にも生活にもお酒と関わりが深いこの街は、古くから宿場町や港町として栄えた背景があります。

今から約150年前、国境を越えることが禁止されていた江戸時代の終わり。19人もの薩摩の若い武士たちが藩の近代化を推し進めるために、秘密裏にこの街から英国へと旅立ちました。その留学生の中には、カリフォルニアのワイン産業発展に貢献した長澤鼎や、サッポロビールの前身を創設した村橋久成らの姿がありました。

WBS フェスティバルは、江戸末期に焼酎の国いちき串木野・羽島から世界へと旅立った先人たちに想いを馳せ、この街の美味しいお酒と食を楽しむみんなのお祭りです。

当たり前で見過ごされてきたいちき串木野の魅力を、新たな切り口から楽しむ。
市内外よりセレクトされたワイン、ビール、焼酎とノンアルコール。
そして、お酒に合うおつまみとご飯。

これは、だただた空腹を満たすフードイベントではありません。今日1日が終わる時に何かひとつ心に残るような場を作るべく、市役所職員の皆さんも、企画する私たちも、そして足を運ぶお客さんまでみんなでみんなをもてなす。そうして、地元の方々と2018年と2019年の2年にわたって開催してきました。

また、いちき串木野の魅力を深掘りする関連イベントも本企画の大きな特徴です。

2018年は、市役所のみなさんが特産品や食材の魅力を届けるために制作した「#架空食堂 in いちき串木野」という動画のなかでしか存在しなかった、「架空の食堂」が一夜限りのレストランとしてオープン。地元で採れた旬の食材を使ったスペシャルなディナーをみんなで味わいました。
2019年には、鹿児島県内に残る貴重な煉瓦建造物「五反田会館」にて「WBS ツーリズム」を開催。この場所は、発電所として大正3年(1914年)に完成し、100年以上の時を経た今も三井串木野鉱山内に現存しています。普段は一般非公開とされている歴史的建造物を会場に、お酒と音楽を嗜みながら、1世紀もの歴史を感じる。秋も深まり赤く染まる夕暮れとともに、ろうそくを灯し美味しいお酒を楽しんだ贅沢な時間となりました。

  • client:いちき串木野市